まこのきもち

うつ病を治すため。ACを直すため。日々のことや気分のこと

わたしには、二歳違いの弟がいる。
私が10歳くらいまでは、とても良好な関係だった。

弟は生意気なところもあるけれど、非常に寂しがり屋。そして泣き虫。
わたしは、そんな弟を守るように生活していた。
「弟に何かあったら、すぐに駆けつける」ということを、幼いながら意識していた。
母親も、弟を溺愛していた。(ちょっと気持ち悪かった……)

犬>>>>>>>>>>>>>>>子供の将来

きっかけは、些細なことだった。
小さい頃から、わたしは役者になりたかった。
そのために、親にお願いしてオーディションを受けさせてもらった。
「書類だけなら無料だし……」そういって親はしぶしぶ了承。
書類審査で、無事通ることが出来た。
一次審査も無料だったので、それもしぶしぶながら受けさせてもらえた。
それも通ったので、二次審査になった。二次審査には、5千円が必要だった。
嫌がる母を父が説得して、受けさせてもらえた。
結果は合格だった。
特待生ということで、破格の値段でレッスンを受けさせてもらえるとのこと。
両親は却下した。
「あんたなんかが役者なんて、どうせ無理でしょう」と母は言った。
父は、わたしの機嫌をとるかのごとく「ほら、犬飼ってあげるから」といった。

別に犬なんて欲しくなかった。自分の将来への道を踏みにじられた気分だった。
でも、両親はここで「嫌だ」ということを期待していない。
「わかった。諦める」と言ってほしいことが、ひしひしと伝わってくる。
わたしは、夢を諦めた。欲しくもない犬を、「じゃあ犬欲しい」なんて騒いだ。
騒いだのは、犬が手に入る嬉しさからじゃない。悔しかったからだ。

結果、犬はわたしが欲しい子を迎え入れることはできなかった。
わたしの要望を無視して、父が欲しい犬を飼った。
もしかしたら父は、わたしにそういうことで、
自分が欲しかった犬を手に入れようとしたのかもしれない。

こういう経緯があり、犬には優しくできなかった。
「あんたが欲しいって言ったから買ったのに、世話をしないなんて!!」
と、散々責められた。どんどん人として歪んでいった。
犬に対して、「あなたがいなければ、私は今頃レッスンに通えてたのに」
と、冷たく当たった。
父は犬を溺愛していたので、そう非難するわたしをバッシングした。

父母からされたように、わたしは犬を虐待した。存在を否定した。
そのおかげか、わたしは犬に懐かれなかったと思う。
そして父母からは大バッシングをうけた。
(べつに私は欲しいと思ったことないんだけど)
(っていうか親がやってるようにやったら怒られるって、どういうこと?)
そんなことを沸々と思っていた。

弟と私

弟の顔立ちは非常に良い。ジャニーズの大半よりも、全然かっこいいとおもう。
犬を迎え入れた後のことだった。
母は、テレビでジャニーズが映るたびに「うちの子もジャニーズにいれようかしら」と言っていた。
「ああ。わたしは許されなくて、弟は許されるんだ。」
「母は、弟の方が好きだからね。わたしみたいなのにお金をかけたくないんだ」

その頃から、弟を虐待するようになった。
弟がわたしに対して不都合な扱いをするたびに、その何倍もの仕返しをした。
トレーディングカードをくしゃくしゃにした。
漫画の一角を燃やした。(本当は全部燃やしたかったけど、燃やせなかった)

それらは、母からの暴言が増すたびに、過激になっていった。
母から受けるバッシングを、そのまま弟にしてしまっていた。

いつのまにか、家庭で四面楚歌状態になっていた。
四面楚歌はいいすぎかもしれない。弟だけは、親となにも無いとき平和だった。
一緒にゲームしたりして、楽しくやっていたと思う。
でも、母が私に干渉するたびに、私は不安定になって弟に八つ当たりをしていた。

今思い出すと、本当に苦しい。弟に申し訳ないと思っている。
いまでも、どうやって謝ればいいかわからないまま。
近々、誠心誠意謝りたいと思っている。